見ず知らずの相手と一気に気持ちの距離を縮めることは人間同士でも難しいものです。
ファーストコンタクトの犬への挨拶は
「やたらに目を見ない」「やたらに話しかけない」「やたらに触らない」
この相手の存在を尊重する態度が
犬との信頼関係を築く為の初めの一歩です☆
「目を合わせず」「話しかけず」「触らない」という私のこの振舞いは
犬の存在を無視するといった冷たい態度ではなく、犬の様子を慮る行為。
犬の心身を尊重し自らの欲求を自重し、犬を安心させ健全な信頼関係を結ぶことを目的にした態度です。
初めて犬が家に来たときの初めの一週間は
人間からすればハネムーンのような期間になりますが
犬からしてみれば新しい環境に慣れるために必死に情報収拾をしている期間になります。
基本的には、その犬に必要な最低限のお世話だけして、生活のあらましを見せてあげるつもりで
お互いを観察しあう期間であることを念頭に置いて過ごしていただけたらと思います。
犬達は、人間が思っている以上に
何気ない人の動きや仕草を観察することで
その家のルールや人との暮らし方を学んでいきます。
どんな年齢で迎え入れたとしても
その犬にとって飼い主は親代わりですから
その子の命を守るための行動「しつけ」こそが最重要課題になります。
母犬や、大人の犬達は
それはそれは、とても根気強く子犬を育てます。
感情的な好きや嫌いではなく
命にとっての快・不快という尺度で
子犬に対して取るべき態度の良し悪しを教えていきます。
ですから、犬の安全のために、やって良いことと悪いことを
ブレずに伝えていくことが大切です。
私達人間が「自制心」を持って犬という動物の「ルール」と「ニーズ」を学ぶこと。
犬と暮らすために必要なのは、テクニックではなく
このシンプルな考えを人間の側が素直に受け止め表現出来るかどうかです。